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2026/1/9

Acompany、秘密計算環境でApache Spark(PySpark)を実行可能に — 大規模データ実証を完了

株式会社Acompany(アカンパニー、愛知県名古屋市西区、代表取締役CEO 高橋亮祐、以下Acompany)は、秘密計算環境においてApache PySpark(PySpark)を実行できる環境を構築し、大規模データを用いた検証を完了したことをお知らせします。

この技術により、複数の企業や組織が機密データを秘匿化したまま高速かつ安全に大規模データ分析を実施することが可能となります。従来、競合他社との協業や部門間でのデータ共有において障壁となっていた機密情報の漏洩リスクを解消し、安全なデータ共同分析を実現します。

※「Apache Spark」および「PySpark」は、Apache Software Foundationの商標です

本技術の特徴

本技術は、秘密計算環境(TEE:Trusted Execution Environment)上でPySparkの分散処理を実行することで、処理中のデータもメモリ上で暗号化・隔離したまま計算を完結させます。クラウド管理者やハイパーバイザーからも保護され、「ゼロトラスト」を前提とした環境でのデータ処理が可能です。

実証実験では、50億件規模のデータ処理において、セキュリティを大幅に強化しながらも実用的な処理性能を実現できることを確認しました。この技術を利用することで、企業はビッグデータ分析のパフォーマンスを大きく損なうことなくセキュリティを強化でき、データ漏洩リスクを極小化できます。

実証実験におけるベンチマーク結果

Azure Confidential Computing環境(AMD SEV-SNP)において、50億件規模のデータに対するJOIN処理とクロス集計を実施し、TEE環境における実用性能を検証しました。

検証環境

プラットフォーム:
・Azure Container Instances
・Apache Spark 4.0.1

比較対象:
・non-TEE 環境
・TEE 環境(AMD SEV-SNP を利用した Confidential Computing)

クラスター構成:
・Executor 数、vCPU 数、メモリ割当は両環境で同一

処理内容:
・Spark を用いた大規模クロス集計
・データ件数:1億件〜50億件

本検証は、実運用を想定したマルチテナント型クラウド環境で実施しており、クラウド基盤に起因する実行時間のばらつきを含んでいます。

性能比較

実行時間の比較

データ件数

Non-TEE 平均

TEE 平均

1億件

44.3秒

39.0秒

5億件

87.0秒

67.0秒

10億件

163.7秒

137.7秒

50億件

986.0秒

850.0秒

検証結果の評価

  • 複数回実行した結果、TEE 環境において non-TEE 環境と同等の実行時間レンジに収まることが確認されました。

  • データ件数が増加しても、TEE 環境で一貫した性能低下は観測されず、スケーラビリティは non-TEE 環境と同等であることが実証されました。

  • Spark のシャッフル処理を含むワークロードにおいて、TEE による暗号化オーバーヘッドが実行時間に対して支配的になるケースは確認されませんでした。

機密データを秘匿化したまま処理する技術として、従来は秘密分散やMPC(マルチパーティ計算)が用いられてきましたが、これらの手法では数百倍から数千倍のオーバーヘッドが発生することが課題でした。一方、TEEは non-TEE 環境と同等の速度で高度なセキュリティを実現できることから、実ビジネスにおいて十分活用可能な性能水準に達していると評価しています。

想定ユースケース

金融機関
・利用シーン:複数金融機関が取引データを秘匿したまま、不正取引やマネーロンダリングのパターンを共同検知
・メリット:競合他社に機密情報を晒さず、業界全体のリスク検知精度を向上。コンプライアンス遵守とビジネス価値創出を両立

医療機関・製薬企業
・利用シーン:複数病院・研究機関が患者データを秘匿したまま統合解析し、疾患早期発見モデルや新薬開発の研究に活用
・メリット:個人情報保護法に準拠しつつ、共同研究を加速。個人情報保護と医療イノベーションを両立

製造業・サプライチェーン
・利用シーン:サプライヤー、製造拠点、物流パートナーが製造工程や在庫データを秘匿したまま共有し、需給最適化を実施
・メリット:サプライチェーン全体の効率化とコスト削減を実現。機密情報を保護しながら協業を促進

広告・マーケティング
・利用シーン:複数企業が顧客データを秘匿したまま共同分析し、精緻なターゲティングとROI測定を実施
・メリット:プライバシーを侵害せず、データドリブンなマーケティング戦略を展開

今後について

本件は、弊社のサービス『AutoPrivacy DataCleanRoom』のプラットフォームにおける「企業間・部門間での機密データの安全な分析・共有」を実現するための、重要なマイルストーンとなります。Acompanyは、実証実験の成果を踏まえ、本技術を製品・サービスとして提供していくための準備を進めてまいります。また、導入を希望する企業との協業や、実証実験の支援も積極的に展開する予定です。

秘密計算(Confidential Computing)とは

秘密計算とは、データを暗号化したまま計算できる技術です。その中でもハードウェア型秘密計算は、TEE(Trusted Execution Environment)、機密コンピューティングとも呼ばれ、データの機密性(Confidentiality)だけでなく、実行コードが事前に開示されたものと一致していることを検証できる完全性(Integrity)も提供できる技術です。

ハードウェア型秘密計算の実用事例は、国内ではガバメントクラウドで必須技術として取り上げられています。また海外では、AppleやGoogleなどがすでに利用を発表しており、そのほかにも米国海軍や陸軍などでも導入が進むなど、世界的に実用化が急速に進んでいる技術です。

会社概要

社名  :株式会社Acompany
代表者 :代表取締役CEO 高橋亮祐
所在地 :愛知県名古屋市西区那古野2丁目14番1号なごのキャンパス
設立  :2018年6月
URL  :https://www.acompany.tech/
事業内容:秘密計算に関連した製品・技術と、機密データ活用に関するコンサルティングサービスの提供

本件に対するお問い合わせ

下記よりお問い合わせください。
お問い合わせフォーム:https://www.acompany.tech/contact

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